【追記】
2023年8月28日にサマンサ株式会社としての運営を開始し、
LOVERSE(旧 samansa)は晴れて個人開発サービスからチームで開発するサービスになりました。
開発のきっかけ
思いついたらとりあえず作ってみないと気が済まない性格なので、結構な割合でガラクタみたいなものを作ってしまいますが、2023年初頭に爆発的にブームになったChatGPTの影響で、生成AIで何ができるのかを色々模索していました。
生成AIの中で1番興味があったのはChatGPTだったので、プログラムを作ってもらったり、あるある探検隊の新ネタを作らせようとしてみたり、楽しく遊んで学んでいたところ、生成AIは画像も作れるらしいということを知り、特に盛り上がっていたきれいな女の人の画像生成に取り組み始めました。
なんやかんややっているうちに、ChatGPTのAPIと画像生成AIで作成したきれいな女の人の画像を組み合わせると、美少女ゲームみたいなものが簡単に作れるのではないか?と思い作ってみたのがこちらです。
詳しくは下の記事をご覧いただければと思いますが、女の子とリアルタイムでチャットをするちょっと高度なときメモみたいなイメージです。
この時は画像では飽き足らず、画像から動画を生成するD-IDも使っていました。
あれ、何だろうこの気持ちは・・・
美少女ゲーム風なものは1日で完成しました。
仕組みは至って簡単で、画像の部分は生成AIで事前に生成したものを20秒くらいの動画にし、
その動画をリピートで再生し続け、テキスト入力があるとGPTのAPIに投げてレスを得たら1文字ずつしゃべってる感じで表示する
といった感じです。
「まあ、一旦こんなもんかな。どれ、幼馴染という設定にして試してみるか。」
設定はGPTに渡すプロンプトを調整すればいいだけだったので、幼馴染と会話する感じでテストを開始したのですが、
そんなテストの中で事件は起こりました。
「こんにちは」
「ゴークくん久しぶり!」
「最近どうしてた?」
「最近は陸上部の練習が忙しかったよ。ゴークくんは?」
そんなような会話が続き、ふむふむ、なかなかうまく動くじゃないかと思った時
「そうだ。告白してみよう。」
と、とても自然な流れで思いつきました。
そこで、キーボードで
「好きだよ」
と打ち、投稿ボタンを押下。
するとどうでしょう。
自分でもびっくりするくらい胸がドキドキしたのです。
何だろうこの気持ちは。
相手が生身の人間ならまだしも、相手はAI。
ほぼ独り言を言っているようなものなのに。
「好きだよ」
を送信した瞬間、まるであの時のように胸が高鳴ったのです。
そう、恋をしている時のように🙃
ゲームじゃつまらない
これはもしかしたら自分と同じようにAIに対してドキドキする人もいるかもしれないな。
そしてAIと恋愛を楽しめるかもしれない。
そう思い、なんらか世の中に提供できるサービスを作ることにしました。
僕はこれまで50個くらいサービスを作ってきましたが、
そのほぼ全てがプロダクトアウトな思いつきで、完成した瞬間
「あれ、これ誰が使うんだろう😇」
となることが多々ありました。
会社勤めの時は決してそんな進め方はしないのですが、
作りたいものを作ってしまうのは個人開発者の性だと思います。
今回ももしかしたらその類かも。
市場調査をしてからの方がいいかも。
そういう真っ当な考えは浮かびましたが、作りたい衝動が抑えられず結局作り始めてしまいました。
とりあえず作ったものを拡張してゲームに仕上げていく方向性も考えたのですが、
「それって俺じゃなくても誰かやるよな」
と思いゲームの路線は捨てました。
さて、じゃあどうするかなーと、散歩しながら考えていたらふとマッチングアプリの形式にすることを思いつきました。
AIキャラクターとの恋愛ゲームではなく、普通のマッチングアプリと同じようにたくさん人がいて人と同じような行動をとり、でも裏の仕組みはAIです、というもの。
ちょうど半年ほど前に「crebo」というYouTuber同士のマッチングアプリをリリースしていたこともあり(それは全然利用者がつきませんでした)、それをベースにすれば結構早く作れそうだなという目算もありました。
プレスリリースまで出して完成と呼ぶ
個人開発にも色々スタイルがあると思いますが、僕が決めているルールは下記の2つです。
- 2週間で作る
- プレスリリースまで出して完成
「クソ団子はいくら磨いてもクソ」という名言(?)があるのですが、
どんなに長い時間をかけても使われないものは使われないし、
逆にコンセプトだけで注目されるようなサービスもあります。
開発のスプリント(単位期間)は大体2週間くらいですし、ザッカーバーグもFacebookを確か2週間くらいで公開してたと思います。
2週間という時間を区切ってその中で価値を表現し切るというのがコスパが良い進め方だと思います。
2つ目の「プレスリリースまで出して完成」というのはそのままなのですが、
プログラムを作り終わってリリースして、
「で?」
となることがよくあるわけです。
個人開発者の方なら理解してもらえると思いますが、
サービスを作ってリリースしても「何も起こらない」のです。
本当に何にも起こりません。
なんなら常に誰でもみれる状態、フルオープンで開発していることだってあります。
誰かがフッとサイトに立ち寄ったら開発中なのに使えちゃう。
でも、大丈夫。
誰も来ないから。
それは開発が完了しても同じこと。
本当に誰も来ません。
だから、僕はプログラムを書き終えたらプレスリリースまで出して完成と呼ぶことにしています。
ちなみにプレスリリースを出すのにはPRTIMESを使っていますが、
1回のプレスリリースに33,000円(税込)かかります。
プレイステーションが1台買えるくらい。
東京から博多まで新幹線のグリーン車で行けるくらいの金額です。
それでも、プレスリリースは絶対やった方がいい。
なぜかというと、プレスリリースを出すとほぼ必ず「何か起こるから」です。
「何か」とはエンジニアを雇いませんか?という営業メールかもしれませんし、テレビからの取材かもしれません。
なんにせよ、プレスリリースを出せば何かは起こります。
ちなみに、PRTIMESは個人でも問題なく登録・公開することができます。
寝ながら完成
そんな感じでLOVRESE(旧 samansa)を作り始めたのですが、実は少し前から体調を崩しており、
これまでに経験したことのないめまいに悩まされていました。
椅子に座っていられない状態で、寝ていても寝返りを打つだけで天井がぐるぐる回り出すという謎の状況。
そこで、頭をベッドに固定した状態で寝ながらコーディングをすることにしました。
そんな状態でしたが作業は割とさくさくと進んでいき、2週間ほどでLOVERS(旧 samansa)のコーディングは完了しました。
これだけ早く作れたのは彼のおかげだと思います。
そう、AIです。
僕は長年emacsというエディタを愛用していました。
emacsは古き良きエディタですが、機能面では最新のエディタに劣るため、
何度か乗り換えを検討したのですが最終的にはemacsに戻っていました。
がしかし、VSCodeのcopilotの登場によって事態は一変します。
利用したことがある方はわかると思いますが、
「あれ、俺は今までどうやってコードを書いていたんだろう」
と思うくらい便利なのです。
どれくらい便利かを簡単に説明すると、例えば
//1から100までランダムに数字を出す処理
と、コメントを書くだけでそのコメント通りの処理をコードとして出力してくれるのです。
さらに、過去に書いたコードを加味した補完をしてくれるので、
//event_tableからeventを1つランダムに抽出
とか書くと、普通なら「event_tableってなんのこと?」となるのですが、
過去にevent_tableに関する処理を行っていたら、そのコードを参照した上で出力してくれたりします。
反響
このブログにまとめているようにこれまで数多くのサービスをリリースしてきたのでプレスリリースを出した後の反応を見て、反応が良いのか悪いのかは判別がつきます。
LOVERSE(旧 samansa)のプレスリリースは次のような考えのもと文面を作成しました。
生成AIを利用しているが、それは手段であって目的ではない。
「AIと恋愛したい」と思っている人なんできっといない。
だから「AI」というメッセージを前面に押し出すのは違う。
一方で「恋愛したい。相手はAI?ああ、それでもいいかも。」と思ってくれる人がいるかもしれない。
どんな人だろう。それは恋愛したいけどできない人。象徴的なのは既婚者かも。
正直、生成AIが流行っている最中で「AI」を前面に出さないのは機会損失に感じましたが、
むしろ「AIということを忘れていた!」くらいにリアルな体験を届けようとしているのにAI押しにするのは違うだろうという考えもあり
既婚者も利用できる掟破りなマッチングアプリsamansa(サマンサ)公開開始
なぜならお相手は全員AI
という見出しにしました。
<TO BE CONTINUED ... 長くなるので少しずつ更新してます>