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サービス名の付け方 - バリエーションをできるだけ出してから絞る

goke

個人開発から世界を変えるようなプロダクトづくりを目指しています

はじめに

gokeではWebサービスを0から開発していますが、サービスを開発するに際してとても悩む(けど楽しい)のがサービス名を決めることです。
これまで良し悪しは置いといて30以上のサービス名を捻り出してきたので、「サービス名の付け方」をうまく文章にまとめようと試みたことがあるのですが、なかなかうまく体型化することができませんでした。
とはいえ、ネーミングというものはそもそもうまく体型化するものでもないかもしれないので、支離滅裂になることを覚悟でまとめてみようと思います。

方針

まずはネーミングの方針からまとめたいと思います。
方針はとてもシンプルで、

「アイデアをたくさん出す→絞り込む→使っていいか確認」

です。
まずはバリエーションをたくさん出した上でそこから絞っていく感じです。

サービス名のアイデアの出し方

まずは何はともあれ、サービス名の核となるキーワードを出していきます。
キーワードとは、そのサービスがユーザーに何を提供するのか、どんな世の中にしていきたいのかといった、単語です。

ではまず、名付けようとしているサービスが誰に何を提供するものなのかを整理してみます。5W3Hで整理するのが手っ取り早そうです。
今回は最近作成した「flow」というサービスを具体例にして流れを説明していきます。flowとは、物事の流れを時系列でまとめて共有するサービスです。

who: ニュースや物語をキャッチアップできていない人に

when: 経緯が気になる時に

where: ウェブ上で

what: 物事の経緯や流れを

why: 経緯が気になるから

how: タイムラインで流れを見せる形で

how much: 情報を端的に、シンプルに

how many: 欲しい情報はいつでも見れるくらい

何事においてもそうなのですが、5W3Hにまとめると「あ、そういう視点もあったか」と、気づかなかったことに気づけることがあります。
5W3Hの実施にあたっては「how muchはよくわからない」というようなこともあるので、厳密にやりすぎないことをお勧めします。

ということで一旦5W3Hがまとまったのでこれを文章化してみます。

ニュースや物語の結末は知っているが経緯が気になる人に対して、タイムラインで流れを見せるWebサービス

簡単にまとめると上記のようになりました。
ではここからキーワードをピックアップしてみます。

・経緯

・タイムライン

・流れ

・気になる

・見る

上記の5つが抽出できました。
次にこれらのキーワードを拡張していきます。
拡張とは類語などから言い換えていく作業です。
拡張するには下記のような方法があります。

1) 類語を集める(類語辞典を調べる)

2) 外国語にする(google翻訳)

3) 意味合いから言い換える

上記の方法で拡張してみたキーワードが下記です。

・経緯、いきさつ、context

・タイムライン、時系列

・流れ、flow

・気になる、興味、interest

・見る、知る、キャッチアップ

さらに表現方法にバリエーションを持たせてみます。

・経緯、K-E、いきさつ、イキサツ、context、コンテクスト

・タイムライン、timeline、t-line、tl、時系列、ジケイレツ、クロノス、chronos

・流れ、nagare、フロー、flow

・気になる、キニナル、curious、興味、キョーミ、interest

・見る、look、miru、知る、shiru、キャッチアップ、catchup

結構多くの候補が出ました。
一旦これで出尽くしたとして、絞り込みを行なっていきます。

絞っていく

絞っていく作業はサクッと行えるものから順番に進めていきます。
まずはサービス名としてイケてなさそうなものを除外してしまいます。
残したのが下記です。

①イケてなさそうなものを除外

・イキサツ、context、コンテクスト

・タイムライン、timeline、ジケイレツ、クロノス、chronos

・nagare、フロー、flow

・catchup

完全に感覚的な作業ですが上記を残しました。
とはいえ、

「はじめは違和感があったけど時間が経ったら馴染んできた」

というようなネーミングはいくらでもあるので上記の絞り込みは緩めでもいいかもしれません。(個人的にドラゴンボールのキャラクター名は初出めちゃめちゃ違和感があるものの、だんだん馴染むなと感じています)

②アルファベットに直した時の違和感チェック

特にwebサービスの場合はサービス名を冠したURLが必要になるので、いい感じのネーミングにできたものの、URLにしたら想定してない感じになってしまった、ということがあり得ます。
「想定してない感じ」には大きく2パターンあります。

A. 読み方が変わってしまう
B. 意味が変わってしまう
C. すごく長くなってしまう

Aに関してはローマ字読みと英語読みで音が変わってしまうパターンです。
日本人向けのサービスの場合はあんまり気にしなくてもいいとは思いますが、ドメインは資産にもなるので考えておいてもいいポイントだと思います。
例えば「DJ KOO」はローマ字読みでは「ディージェイコー」ですが、英語読みでは「ディージェイクー」となります。
今回の候補の中には「nagare(ナガレ)」というものがありますが、みた感じ「ナガー」と読むかもと思いました。これを確認するにはGoogle翻訳を利用するのが便利です。
図のように単語を入れてスピークマークを押すと発音してくれます。

google翻訳で発音をチェック

nagareを調べてみたところ「ナガレ」と発音してくれたので問題ないようです。
他には「N」が含まれていることで読み方が曖昧になるパターンです。
例えば「anan」は「あんあん」なのか「アナン」なのか曖昧です。雑誌の「anan」は「An An」とか「an・an」と表記してこれを防いでいるようです。

Bに関しては「愛」が「I(私)」となってしまうようなパターンです。

Cに関してはアルファベットで表現したときになるべく短い方が覚えてもらいやすいという観点です。
例えば「つ」や「ち」や「し」は日本語では一文字で表せますが、アルファベットにすると「TSU」「CHI」「SHI」と3文字になります。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/passport/hebon.html

例えば「つつしち」というサービスを作ると日本語のぱっと見は4文字なのですがアルファベットで表記すると「tsutsushichi」となってすごく長い名前になってしまいます。

ABCを加味して絞り込んだのが下記です。

・context、コンテクスト

・タイムライン、timeline、クロノス、chronos

・nagare、フロー、flow

・catchup

結果的にあまり減りませんでした。

③ドメインの確認

次にドメインが取得できるかを確認してみます。
まずはなんと言っても「.com」が取得できるかを確認します。

・context、コンテクスト
→context.com

・タイムライン、timeline
→timeline.com

・chronos、クロノス
→chronos.com

・nagare
→nagare.com

・フロー、flow
→flow.com

・catchup
→catchup.com

当然のようにどのドメインも取得済みでした。
とするといろんなドメインを探していくことになるのですが、時間がかかる作業なので候補の中でも優先順位を決めたいと思います。
サービスの内容や文字面、響きから下記の優先順位を決めました。

1) フロー、flow

2) context、コンテクスト

3) タイムライン、timeline

4) catchup

5) chronos、クロノス

6) nagare

1つめのflowについてどんなドメインが利用可能なのかをドメイン取得サービスで検索してみると、

「flow.tl」

というドメインが利用可能なことがわかりました。
tlは東ティモールのドメインとのこと。(仮にこれが今現在なんらかの問題を抱えている国家のドメインの場合は、ドメインを見てbanされるなんてこともあるのでそういったドメインであれば却下します。)
tlというのは短くていいのと、「TIME LINE」の頭文字でもあるのでぴったりな感じがします。
そこで、サービス名を「flow」ドメイン名を「flow.tl」と一旦決めて次に進みます。

使っていいか確認

さて、ここまでで検討してきた「flow」というサービス名は使っていいものでしょうか?
使ってはいけないパターンとして「商標」があります。
同じサービス業態(区分)で同じサービス名だと紛らわしいので早い者勝ちで登録をして被らないようにするのが商標です。
商標を確認するには特許庁のウェブサイトを利用します。
確認したい商標は「flow」なのですが、区分はサービスの形態によって変わってきます。どの区分を確認すればいいか、正確なところは弁理士に相談すべきところですが、作ろうとしているサービスと似ているサービスがどの区分で登録しているかを確認すれば参考になります。
「flow」はwikipediaに似ているのでwikipediaの商標を調べたところ、

9、35、38、41、42

が該当しそうです。
flowに関しては現時点では大丈夫そうなのですが、詳しくは専門家に確認する必要がありそうです。
いずれにせよ、サービス自体が流行るかどうかもわからないので後々検討でもいいかもしれません(商標取得には数十万円程度のお金がかかります。お金があれば絶対に先にやった方がいいです)。

最終決定

上記のステップでサービス名を決定していきますが、実際にはドメインや権利で引っ掛かったらまたはじめから繰り返す、という流れになります。
繰り返す場合はもう少しフレキシブルなネーミング、例えば単語を組み合わせたネーミング(YouTube、Wikipedia)や少しもじったネーミング(wantedly、pixivなど)を追加するといいです。

最後に

プログラミング言語の年収と習得の難しさをランキングにしてみました。
合わせてご確認ください。

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