「未経験からプログラマーに転職できるのか?」
「転職にはどんな準備が必要で、どんな結果が想定されるか?」
これからプログラマーになるぞ!という方のために、
未経験でプログラマーに転職して「成功する」ための4つのチェックを紹介します。
4つのチェックとは
- 方向性確認
- 近い未来どうなるか?
- 5年後どうなるか?
- あなたはプログラマーに向いているのか?
という4点です。
30歳で大手IT企業に転職し、毎日数千万人が使うサービスの部長を務めた経験から実態に即してお伝えします!
1. 方向性確認:失敗しない「プログラマーの種類」選び
プログラマーの市場価値は高い
まず、感覚でだいたいわかるかもしれませんが2023年現在、プログラマーの市場価値は高いです。
経済産業省の試算によると、IT関連の人材は2030年には16万人から79万人不足すると言われています。
2023年現在はというと約38万人不足する試算になっているのですでにIT人材は不足している、ということになります。


* 引用:IT人材白書2020/独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター
ここでいうIT人材とはサービスを作る企業における人材と、そのサービスを活用する企業における人材を含めたものです。
つまり、「Googleでゴリゴリプログラムを書いている人材」も「社内に業務用パソコンを配布して管理する情報システム部の人材」もひっくるめて最大で79万人足りなくなるということです。


では、プログラマーの需要はというと、人材派遣会社やプログラミング教室の調査結果など「プログラマーは需要がある」と主張したい方々の少し偏った調査結果しかないので「これくらい需要がある」という正確なところを出すのは難しいですが、dodaにあるプログラマーの募集件数は35,479件(2023年3月6日現在)と募集が多いことからも、少なくともこの先何年かはプログラマーの需要は高いと言っていいと思います。


僕が務めていた某大手IT企業でも常にプログラマーが不足している状態でした。
そのため、時期にもよりますが採用担当者は月に2、3回は採用面接をしていました。
誤解がないように補足しますが、採用「面接」をしていたのであって、実際に採用まで行くのはごく一部です。
採用側が落とすというパターンもありますが、報酬の折り合いがつかずに辞退というパターンもあります。
採用の基準や年収に関してはこの先でも触れたいと思います。
ここまでのまとめ
- プログラマーの需要は当面高い
何系のプログラマーになるか
ところで、ひとことに「プログラマーになる」と言ってもプログラマーには様々な種類があります。
- アプリ開発プログラマー
- ウェブ開発プログラマー
- 組み込みシステム系プログラマー
- ゲーム系プログラマー などなど
何系のプログラマーになるかはどんな企業でどんなサービスに携わりたいかによって決まります。
例えば、
ゲーム会社でゲームを作るプログラマーになりたい!
という希望の場合は「ゲーム系プログラマー」を目指すことになりますが、
ゲーム会社でプログラマーとして働きたい!(ゲームの開発に直接携わるかにはこだわりはない)
という、やや広めの要望でしたら必ずしもゲーム系プログラマーである必要はありません。
例えばゲーム会社にはプロモーションなどで使うウェブページを管理している部門もありますし、社内のシステムを管理している部門も必ずあります。
となると、例えゲーム会社であっても「ウェブ開発プログラマー」や「社内システム管理プログラマー」を募集するケースも往々にしてあり、転職先の企業にこだわるのであれば選択肢は少なからず広がることになります。
転職先や転職後にどんな業務に携わりたいかを具体化していくと目指すべきプログラマー像が見えてくると思いますが、急に具体化するのは難しいです。
そこでまずは、どんな企業がどんなスキル(=プログラミング言語)を必要としていてその難易度はどんなものかを次の節でみていきましょう。
ここまでのまとめ
- ひとことにプログラマーと言っても様々な種類がある
- 転職先や携わる業務を具体化できると目指すプログラマー像が見えてくる
転職先にマッチしたプログラミング言語を確認
人がコンピュータに命令するのがプログラムですが、人間の言葉にも英語や日本語があるのと同じようにプログラムにも複数の「プログラミング言語」があります。そしてプログラミング言語によって記述の方法も違えば得意分野も違います。
以下に主なプログラミング言語の種類をまとめます。
名称 | 得意分野 | この言語を主に利用する製品やサービス |
---|---|---|
JavaScript | Webサービス | Google、Yahoo!、AmazonなどWebサービス全般 |
PHP | Webサービス | Facebook、Wikipedia、Slack、ぐるなび、一休など |
Ruby | Webサービス | クックパッド、Airbnb、Gunosyなど |
Java | 全般 | Twitter、EVERNOTE、楽天、Minecraftなど |
Python | AI(人工知能) | Amazon、Dropbox、Netflix、YouTubeなど |
Go | 全般 | AWA、ぐるなび、Wantedlyなど |
Swift | iOSアプリ | iPhoneアプリ全般 |
Kotlin | Androidアプリ | Androidアプリ全般 |
C# | ゲーム | Bing、トレンドマイクロ、価格.com、各種ゲームなど |
Scala | 全般 | Twitter、ChatWorkなど |
C++ | ゲーム | 家庭用ゲームなど |
R | AI(人工知能) | Google、Facebook、DeNA、ドリコムなどがユーザー分析用途で |
上記のようにプログラミング言語によって利用される目的やそれを採用するサービスがさまざまです。
習得難易度
プログラミング言語は種類によって習得の難易度が変わってきます。
それぞれのプログラミング言語における難易度を表にまとめました。
数字が大きいほど習得が難しいとされる言語です。
- HTML
- JavaScript
- Python
- php
- C#
- Swift
- Go
- Ruby
- Java
- TypeScript
- Perl
- Kotolin
- R
- C++
上記のランキングは世界のサイト合計12サイトから収集した情報を元に集計したものです。
というか、そもそもなぜ難しい言語を使う必要があるの?
と思うかもしれませんが、それはそれぞれのプログラミング言語で果たしたい目的に依存する部分が大きいです。
例えばゲームのプログラムは高速に処理を行う必要があるため、CPUがどうだとかメモリがどうだとかコンピュータの制御を細かくする必要があります。
それに対して、高速な処理が必要ないサービスやシステムはコンピュータに対して「よろしくやっといて」とある程度丸投げにできる部分があります。
上の表を見ていただくと、主にゲームに使われるC++(シープラプラ)は習得難易度が高く、Webサービスを作るのに利用されるJavaScript(ジャバスクリプト)は難易度が低いです。
なお、これはあくまでも言語習得の話なので、その言語を使って作るものの難易度はまた別の話ということは覚えておいてください。
廃れない言語を選択すべき
上表の中で一番歴史が古いのはC++(シープラプラ)、一番新しいのはSwift(スウィフト)ですが、新しいからといって人気、古いからといって不人気というわけではありません。
ここには列挙されていないプログラミング言語も多数あり、中にはもうほとんど使われていない言語もあります。
その観点で気をつけなければいけないのは今後使われなくなることが見えている言語を選択してはいけない、ということです。
例えば、iPhoneが登場した時のiOSアプリの開発はObjective-C(オブジェクティブシー)という言語一択でしたが、その後Swiftが登場したことでObjective-Cの需要は落ちています。(僕も勉強しました・・)
じゃあ上表の中でニーズの高い言語はどれなのか?ということになりますが、
レバテックにて、それぞれのプログラミング言語の求人数をまとめてみました。
結果は下記の通りです(2023年3月8日現在)
()内が求人数、1つの求人で複数の言語の指定がある場合もそれぞれの言語に加算
- Java(1,344)
- JavaScript(928)
- PHP(877)
- Python(870)
- C#(606)
- Ruby(422)
- TypeScript(405)
- HTML(383)
- C++(332)
- GO(253)
- swift(202)
- kotlin(181)
- R(56)
- Perl(31)
Javaは汎用性が高い言語なので人気が高いです。
そしてウェブ系のJavaScript、PHPと続いて、
人工知能関連で最近人気が高いPython、主にゲームプログラミングに利用するC#と続いています。
今後IT界隈にどんな動きがあるのかは誰にもわからないところですが、
募集が多い言語は現在もこれらの言語で開発が行われているということです。
ということは、仮にこれらの言語に置き換わる新しい言語が発表されたとしてもすでに現時点で開発しているものがあるので一定期間はメンテナンスや差し替えでやはりこれらのプログラミングスキルは必要になるはずです。
よってこれらの言語はこの先数年は需要が急激に落ちることはないと言えます。
プログラマーとして何を作りたいか
上記の表の中で一番重要なのは、どんな企業に転職したいのか?どんなサービスや製品を作りたいのかによって必要となるスキルが変わってくるということです。
例えば「アプリを開発したい!」と思ったらSwiftやKotlinのスキルが重宝されますし、「データを使ったユーザー分析をしてみたい」のであればRやPythonを習得すると有利に働きます。
ただし、上記にまとめられているのはあくまでも「主に利用する」である点に注意してください。
例えば僕が務めていた企業では開発チームやプロダクトごとに複数のプログラミング言語を使い分けていました。
上表のFacebookを見ていただくと、PHPとRの両方に名前があります。
- Facebookページの開発にはPHP
- ユーザー分析にはR
- iOSアプリ開発にはSwift
- Androidアプリ開発にはJAVAかKotrlin
と言った具合に目的に沿って言語を使い分けているケースが往々にしてあります。
また、企業の統廃合やシステムの刷新などによって利用する言語が変わっていた、という事もありえます。
希望するサービスに狙いを定めてからプログラミング言語を習得する場合は注意してください。
ではどうすればいいか?というと、行きたい企業やサービスが決まったタイミングでリアルタイムに利用されているプログラミング言語を確認するのが一番確実です。
対象となる企業に知り合いがいる場合や、TwitterなどのSNSでその企業の社員を見つけたら聞いてみれば教えてくれるかもしれません。
また、どんな部門の募集が多いのか、採用の傾向なども確認するなら転職エージェントに探りを入れてもらうのが確実です。
転職エージェントに相談する場合はプログラマーの転職に強い専門のエージェントに相談するのがおすすめです。
- 未経験でもITスクールと連携した就職活動が可能
- IT業界に特化した就職支援を提供
- IT業界に特化した専任のカウンセラーが就職、書類作成サポート
プログラミング言語選びに迷ったら
プログラマーになってメルカリに入るぜ!
といった明確な目標がある場合は、それに必要な言語の習得を検討すれば良いと思いますが、
漠然とプログラマーになりたい。そして年収をアップしたい。
そのために少しでも早く動きたい。
といった場合は、結局どの言語を学べばいいのかに迷うと思います。
そういった場合は習得が比較的簡単で人気がある言語の習得を目指すのが無難だと思います。
おすすめなのはJavaScript、PHPです。
この2つはWebサイトの開発でセットで使うことがよくあるので、実際に動くものを作りながら楽しく学習することができると思います。
ここまでのまとめ
- どんな企業やサービスに関わりたいかで習得すべき言語が変わる
- 転職先が未定ならば、需要が多く廃れないプログラミング言語を狙って習得すべき
プログラマーの年収は?
「プログラマー 年収」
で検索するとさまざまなページでプログラミング言語ごとの年収が紹介されていますが、データの出所が不明だったり情報が古かったりするので独自に調査してみました。
詳細が気になる方は下記の記事をご覧ください。
言語 | 中央値 | 最小提示額 | 最大提示額 |
---|---|---|---|
Go | 700万円 | 240万円 | 1900万円 |
R | 652万円 | 300万円 | 1500万円 |
Kotlin | 650万円 | 240万円 | 2000万円 |
Ruby | 650万円 | 240万円 | 1900万円 |
TypeScript | 650万円 | 250万円 | 2000万円 |
Swift | 628万円 | 216万円 | 2000万円 |
Python | 625万円 | 240万円 | 2000万円 |
Java | 600万円 | 216万円 | 2000万円 |
JavaScript | 600万円 | 216万円 | 2000万円 |
C++ | 598万円 | 240万円 | 2000万円 |
php | 596万円 | 216万円 | 2000万円 |
C# | 575万円 | 240万円 | 2000万円 |
HTML | 575万円 | 216万円 | 1668万円 |
Perl | 575万円 | 300万円 | 1140万円 |
独自の調査結果によると一番年収が高いのはGo(ゴー)、ついでR(アール)、Kotlin(コトリン)と続きます。
これだけ見ると、
とりあえずGoを勉強しておけばいいかな?
という気になるのですが、
これから勉強するのであれば学習コストも考慮すべきです。
これから勉強する上でコスパのいい言語
「FIRE 最強の早期リタイア術」の著者であるクリスティー・シェンさんは、早期リタイアのための元手となる資金を稼ぐためにもっとも効率的な職業をPOTスコアを使って割り出し、見事に30歳で早期リタイアを達成しました。
POTスコアとは、各職業の「学習コストに対する給与をスコア化したもの」です。
これと同じようにこれから勉強する上でコストが安くすみ、収入も多いプログラミング言語をあぶり出そうということです。
結果は下記の通りです。


詳しい説明は別記事をご参照いただければと思いますが、
上記の図では縦に年収、横に習得の難易度を取っており、円の大きさで実際の求人の数を表しています。
結論としては、下記の言語を選ぶのがコスパが良いといえます。
これから学習する上でコスパが良い言語
- HTML
- JavaScript
- Python
- php
- C#
- Go
- Java
ここまでのまとめ
- プログラマーの年収は言語により傾向がある
- これから学ぶならコスパのいい言語を選ぶべき
2. 近い未来どうなるか?:プログラマーの1日・1週間
続いてプログラマーになったらどんな1日を送りどんな1週間なのか、あなたに訪れる「近い未来」を紹介したいと思います。
プログラマーの1日


あえてハードな日をまとめてみました。
こんな日もあります。
特に24時間365日稼働しているサービスを運営するサービスのプログラマーになると、何かトラブルが発生した時に土日だろうが深夜だろうが対応が求められることがあります。
これは宿命なので避けることはできませんが、そういった対応が発生した時に休日手当や深夜残業手当が支給される企業を選ぶことは大事なことです。
また、いつ呼び出されるかわからない日常を送るのはストレスなので、例えば休日の緊急連絡は当番制など、体勢がしっかりとした企業を選べるとなお良いです。
とはいえ、この辺りの環境の整備は大手の企業でも意外に整っていなかったりするのが実情です。
僕自身はどうだったかというと、部長という役職だったこともあり、
- ウォーキングに行く時も、友達と飲みに行く時もパソコン携帯
- 深夜だろうが早朝だろうが、slack(メッセージ)や電話着信は全部受ける
- トラブル発生時には最後まで居る
という、大統領秘書官みたいな(?)生活をしていました。
では現場のプログラマーはどんな状態だったかというと、リーダークラスのプログラマーは「可能な限り連絡がつくように」というルールでした。
そのほかのプログラマーは「緊急時は誰か気づくはず」という若干緩めなルールだったのですが、
それでも回っていたのは人数が多かったことやリーダークラスのプログラマーが優秀だったからだと思います。
仮にそれでうまくいかなかったら体制変更(例えば緊急連絡の当番制)などが検討されたと思います。
プログラマーの1週間
ハードな日もあればゆったりした日もあるプログラマーの1日ですが、どんな1週間を送るかの1例を紹介します。
これは転職先の企業が運営しているサービスや運営体制によって大きく変わりますので1例と考えてください。


オレンジ色はチームでの業務、青は個人での業務です。
ここで挙げた例は「スクラム開発」という手法で開発を行う場合の1週間のイメージです。
- 計画する
- 開発する
- ふりかえって改善する
という流れを短い周期で繰り返す手法で、新しいサービスを作る場合などにマッチしやすい取り組み方です。
1週間が1周期になっていますが、これを2週間単位にして「計画とふりかえりは隔週」というケースもあります。
いずれにしても「これが典型的なプログラマーの1週間。これ以外ない!」というものはありませんが、個人での開発とチームとの連携を繰り返していくスタイルはどんな組織でも同じです。
よく「コミュニケーション能力が必要」と言われるのは、チームとの連携が必ず必要になってくるからです。
ここまでのまとめ
- トラブル対応はプログラマーの宿命
- 個人業務とチーム業務を繰り返す
5年後どうなるか?:プログラマーの未来の描き方
ここまでのお話で、プログラマーになるために考えておくべきことや、短期的な未来はある程度イメージできました。
では、長期的な目線ではどうでしょうか?
目下の目標は「未経験でプログラマーになること」だとしても、例えば3年後、10年後はどうなっていくのでしょうか?
ということで、これまで実際に見てきたプログラマーの定番コースをまとめていこうと思います。
プログラマーの定番のコースは大きく分けて4つあります。


(1)社内で活躍パターン
1つ目はそのまま社内で活躍していくパターンです。


「一度就職したらその企業にずっと勤め続ける」ということはあまりないと思いますが、一旦腰を据えて転職先の企業である程度のキャリアアップを進めていくのがこのパターンです。
前項でもお話しましたが、プログラミングは個人プレーとチームプレーの繰り返しなので、
自ずとチームをまとめるリーダー的な存在が必要になってきます。


プログラマーになってから最初に訪れるキャリアアップのチャンスはリーダー的なプログラマーになることです。
企業によって「リードプログラマー」「開発リーダー」「主任」など、呼び方は様々ですが、リーダー的なプログラマーになるための条件は次のようなものです。
- プログラミングの経験や知識が豊富
- チームをまとめるリーダーシップがある
- 他のチーム、他の職種と交渉することができる
僕が務めていた企業ではだいたい3年〜5年くらいでリーダー的なプログラマーになれました。
「なる」ではなく「なれる」と言ったのは「なりたくない」というケースも往々にしてあるからです。
なりたくない理由は人それぞれですが、
責任が増えるのは嫌だし、プログラミング以外に時間を割くのは嫌だ(プログラミングが好きだから)
という声がよく聞かれていました。
ですが、リーダー的なプログラマーになり「主任」や「チームリーダー」「リードプログラマー」などの肩書きがつくと、自ずと収入は増えることになるのでここは各個人の選択によるところです。
そしてリーダー的なプログラマーがそのまま先に進んでいくと、作るものを設計する人になります。


いわゆるSE(システムエンジニア)です。
この領域にいくと自分ではプログラムをほとんど書かなくなります。
組織にもよりますが、リーダー的プログラマーと作るものを設計する人はイコールの場合もあります。
そして作るものを設計できるようになると、プロジェクト全体をまとめたり、複数のチームをまとめたりする存在になっていきます。
いわゆるPM(プロジェクトマネジャー)や、技術責任者です。


ちなみに「プロジェクト」という言葉はとても曖昧な言葉なのですが、
ここでは「複数のチームや複数のサービスにまたがって取り組む、期間限定の取り組み」のことを指します。
ここまでくるとサービスや製品にも直接的に影響を与える判断を自ら行えるようになります。
ところで「作るものを企画する人」というルートもあります。


これはプログラマーをやめて企画職やディレクションをする業務に転ずるというパターンです。
企画やディレクションとは具体的に下記のような業務です。
企画職
どんな製品やサービスを作るのか、データや時代の流れを読んで提案して推進していく。
カスタマーサポートとの連携や技術職のサポートなど、業務は多岐にわたる。
ディレクション
製品やサービスを世に出していくために、工程全体の推進をしていく。
ディレクション=監督なので、現場監督のようなイメージ。
僕がいた企業では20人に1人くらいはプログラマーから企画やディレクションに転じるキャリアを歩んでいました。
企業によっては企画職ではなく営業職の一環としての企画業務があることや、ディレクションはプログラマーの業務の中で吸収するパターンもあるので必ずしも職種として「企画」や「ディレクター」が存在するとは限りませんが、同じ企業にいながら職種を変えることで開発の知識もある企画職として重宝されることもあります。
ここまでのまとめ
- ゆくゆくはプロジェクトをまとめる存在になるのがキャリアアップの1つの手段
- 企業は移らずに職種を変えるパターンもある
(2)転職パターン
続いて、ある程度のスキルまで到達したら転職するパターンです。
今からプログラマーになろうという人にさらに転職の話をするのは気が早い気もしますが、キャリア形成の戦略の1つとして少し先を見ておくことはとても有意義なことだと思います。


転職する場合は使える言語よりもむしろ、担当していたジャンルや業務を固定した転職が多いです。
例えば、
- 地図アプリの担当をしていたから、天気アプリの会社に転職して地図表示の開発に携わる
- 動画配信サービスにいたから、エンタメ系のサービスに転職する
- ECサイトのユーザー分析をしていたから、実店舗がある企業のユーザー分析に転職する
といった感じです。
転職する本人がどんなジャンルに興味があるかも関係しますが、業務で培った知識や経験が使える言語以上に転職で強みになるということは大いにあります。そのため、どんなサービスやどんな製品に関わりたいのかの自己分析はある程度しておいた方がいいでしょう。
ちなみに、僕がいた企業では転職してきたプログラマーがすぐにリーダー的なプログラマーになることはほとんどありませんでした。


例え転職前に凄腕のリーダー的プログラマーだったとしても新しい環境に順応できるかは別の話なので、半年ほどは一般のプログラマーと一緒に業務をし、「期待通りやってくれそうだな」と見極められたらまとめ役になる、という流れが定番でした。
とはいえ転職すると年収が下がるというわけではなく、一定期間役割が限定的になって様子を見られることがある、ということです。
ここまでのまとめ
- プログラマーとして担当したジャンルや業務が次の転職の武器になる
(3)フリーランスパターン
続いてはフリーランスになるパターンです。


ある程度実力がついたのでフリーになり、自分でお客さんを見つけて開発の対価をもらうスタイルです。
副業が許される企業では本業の傍ら副業をして、それが軌道に乗ったらフリーになるパターンもあります。
そしてフリーランスでの活動が上手くいくと、仲間を集めて少し大きな案件を受注し、気づけば会社になっていたというパターンもよく耳にします。SIer(エスアイヤー)起業というのはそのパターンのことです。
SIer(エスアイヤー)
「システムインテグレーター」のことで、企業から請け負って開発やメンテナンスを行う企業
SIerの起業はもともと企業で働いていた時のお客さんから別の案件や企業を紹介してもらい、だんだん案件を大きくしていくパターンが王道の流れです。
僕の友人もSIerになったプログラマーは結構いて、羽振りが良さそうなSNS投稿をよく目にします。
他の業種と違って初期投資がほとんど必要ないので失敗したとしてもダメージが少ないのも魅力ポイントですね。
ここまでのまとめ
- 企業で培ったスキルを利用して副業したり、フリーランスに転身したりする選択肢もある
- フリーランスがうまくいけばその路線での起業も可能
(4)起業パターン
最後は独自のサービスを作って起業するパターンです。


これに関しては進め方は千差万別です。
個人でゲームアプリを開発して毎月数百万円の収益が出ていた知人(彼はそれでも会社を辞めませんでした)や、必要な人材を集めて新しいwebサービスを始めるようなパターンもあります。
そして、プログラマーになったら必ずと言っていいほど体験するのが
こんなアプリ一緒に作らない?
という誘いです。
この手の誘いはプログラマーであることを周知すると昔の友達や職場の人から持ちかけられることがよくあります。
最近では起業においてITの知識はマストと言っていいので、これから起業するというシーンでもプログラマーは需要が高いです。
仲間がいた方がいいですし、必ずしも自分自身が起業をリードする必要はないのでいいプランであれば乗っかるのもありです。
この辺りは運の部分もあるので、いずれは起業したいという思いがあるのであれば、企業でプログラマーをしながら自分のサービスを密かに育てているというパターンが進めやすい方向性なのではないでしょうか?
ここまでのまとめ
- 起業においてもプログラマーの需要は高い
- 仲間とスタートする場合も個人でスタートする場合も企業に勤めながら準備するのが良い
4. あなたはプログラマーに向いているか?
ここまでの話で
プログラマーは短期的にも長期的にも悪くなさそうだな
と思っていただけたかもしれませんが、もう1つ大事なポイントが残されています。
それは、あなたはプログラマーに向いているのか?という話です。
僕は経験上「自分はプログラマーに向いている」と思っていますが、経験がない方はどうやって適性を知るのか難しい問題です。
そこでGoogleで
プログラマー 適正
のように検索するとプログラマーに向いているかを診断するテストやチェックリストが色々出てきます。
プログラマーの適性診断を受けてみた
そこでまずは「プログラマーの適正あり」と思っている僕自身が試しにGEEK JOBの適正診断を受けてみました。
どんなものかというと、
- 5段階で自己分析するアンケート
- 論理パズルのような問題を10問
- 診断結果が表示
という流れで診断してくれるものです。


ちなみに最後のページに個人情報を入力する画面があり、それを入力しないと診断結果は見れなかったです。
久しぶりにテスト的なものを受けたのでちょっとドキドキしたのですが、
結果、Bか・・。


正直ちょっと悔しいです(笑)
問題はしっかり解けたと思いますが、最初の画面のアンケートがちょっと保守的すぎたかもしれません。
診断ページにも書いてありますがこれはあくまでも参考程度の情報とのことなので、まあこんなものかなという感想です。
診断が参考程度なら、何を頼りにプログラマーの適性を見極めたらいいの?
ということになりますね。
好きか?得意か?
次の図をご覧ください。


この図はスターバックスジャパンの元社長の岩田松雄さんが著書の「MISSION」の中で紹介していた個人ミッションの定義のしかたです。
僕は何かを始める時に、この図を参考に「本当にその方向性でいいのか?」を確認しています。
この図のポイントは下記の3つ
- 「好き?継続できる?」
- 「得意?他の人より価値を提供できる?」
- 「お金になる?そもそも需要ある?」
これらを満たせる中心にあることは取り組むべき価値があること、ということです。
これをあなたがプログラマーになるべきかに置き換えてみるとこうなります。


プログラマーが「お金になる」ことはわかっているので、あとは適正(=得意か)と好きか嫌いかだけです。
これらを確認する間違いない方法は「やってみる」ことだと思います。
プログラミングをやってみる
やってみる足掛かりとしては下記の選択肢があります。
- プログラミング教室に通う
- 友達や知り合いに教えてもらう
- 本やネットで独学で学ぶ
プログラミング教室に通う
自己投資のお金や時間が許すのであればプログラミング教室に通うのが一番確実です。
その後の転職の相談や、それを目指す仲間との出会いもあるので情報収集をしながら勉強できるのがいいところです。
友達や知り合いに教えてもらう
もし、友達や知り合いにプログラマーがいれば休みの日にご飯を奢る代わりに教えてもらう、といった方法も取れると思います。
僕もハンバーグ屋で友達にプログラムを教えたことがあります(笑)
本やネットで独学で学ぶ
- ウェブ系のプログラマーになりたい!
- プログラミングちょっとだけやってみたい!
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ここまでのまとめ
- 好きか?得意か?が見極められればプログラマーになるべきかが決まる
- 時間や経済面も考慮してまずはプログラミングをやってみよう
まとめ
これからプログラマーに転職しようという方向けにプログラマーに関してお話してきました。
総括すると下記のように進むのがおすすめです。
- どんな企業、サービスに転職したいのかを自問自答してみる
- その企業、サービスへの転職に必要なスキルを含め、転職エージェントに相談する
- 実際にプログラミングをやってみる
最後に、
なるべく中立的立場で語ってきましたが、
僕はプログラミングが大好きなので新しい仲間が増えてくれるととても嬉しいです!
参考リンク
この記事を書くために参考にさせていただいた記事です。
・世界中で人気なJavaの魅力とは?言語の特徴や将来性などもあわせて解説, https://type.jp/et/feature/16961/
・Pythonで開発されたWebサービス7選【できることや使うメリットも解説】, https://runteq.jp/blog/programming-school/language/13186/
・Goで開発されたWebサービス国内事例5選&海外事例4選【学習方法やメリットも解説】, https://runteq.jp/blog/programming-school/language/12785/
・国内大手サービスでも使われているC#でできること, https://crowdtech.jp/blog/2727/
・R言語の特徴・できること・メリット、Pythonとの違いから年収・求人まで徹底解説, https://www.bigdata-navi.com/aidrops/1978/
・Ruby on Railsとは?Rubyで作られたサービス10選や何ができるかを解説, https://tech-camp.in/note/technology/40581/
・Go言語(golang)とは? 特徴・できること・将来性を徹底解説, https://tech-stock.com/magazine/what_is_golang/
・Python(パイソン)は意外な誕生秘話を持った言語, https://freelance.techcareer.jp/articles/wp/skills/python/detail/550/
・HTMLを理解する!初心者でも分かる歴史、できること、基礎知識などを簡単に解説!, https://anken-hyouban.com/blog/2020/08/01/html/
・Scala(スカラ)とは?言語の特徴や開発手法、Javaとの違いや共通点について解説!, https://hnavi.co.jp/knowledge/blog/scala/