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プロンプトエンジニアの時代はくるのか?

ゴーク

スタートアップにいたことも大手にいたこともありますがずっとITです。 仲間=クリエーターを増やして一緒にものづくりしたいです!

ChatGPTが激ヤバと話題になってから「プロンプトエンジニア」という言葉が聞かれるようになりました。
僕は恥ずかしながら最近までこの言葉を知らなかったのですが、プロンプトエンジニアとは簡単にいうと

生成系のAIに命令する専門家

のことです。
生成系のAIとはchatGPTなどのお願いすると作ってくれるAIのことですね。
中国では2022年からプロンプトエンジニアの養成講座が人気とのこと。

英語圏では2021年頃から盛り上がりを見せている職種の一つで、中国でも2022年の夏頃からプロンプトエンジニアの講座が人気を呼んでいます。

https://digital-shift.jp/ai/221122

生成系のAIが台頭してくると、今度はそれを上手に操る人が必要というわけです。
本当でしょうか?
結論から言うと、

プロンプトエンジニアという職業はできるかもしれないが、すぐいなくなる

と僕は考えています。
なぜそうなのか、AIのこの先の流れも踏まえつつ見ていきたいと思います。
このテーマについて考えるきっかけとなったnote CXOの深津貴之さんのnoteもぜひ読んでみてください。

AIのこの先の流れを踏まえて考える

プロンプトエンジニアという職業はできるかもしれないが、すぐいなくなる

AIに職業が奪われるかもしれないという不安がある中で残念な結論ではあるのですが、
なぜその考えに至ったのか、「これまで」と「これから」を踏まえてみていきましょう。

プログラマーが作っていた時代

まず、これまでのエンジニアリングについてみてみます。
これまではユーザーのニーズに応えるべく、プログラマーががしがしプログラムを書いていました。

ちなみに僕もその1人です。

プロンプトでお願いして作る時代

ここで大きな変化が起こります。
生成系AIが次々に登場し、

あれ?そのコード、AIが書いた方が「速い」「安い」「キレイ」じゃない?

という、クリーニングチェーンの売り文句のような状態になってきました。
特に2022年の下半期から2023年にかけての進歩が早く、その代表がChatGPTの次世代verのGPT4です。

ただ、高性能なGPT4であっても意思が伝わらなければ思い描いた結果は得られないので、適切なプロンプトを作るスキルが必要になります。
このスキルを持った人が「プロンプトエンジニア」ですね。

そうなってくると、

よっしゃ、次はプロンプトエンジニアの時代じゃ!誰よりも早く習得するぞ📝

という気持ちになる方もいるかもしれませんし、

プロンプトのテンプレート、メルカリで売れるんじゃね?うっしっし💰

という新しいビジネスを思いついたりもするかもしれません。
ですが、ちょっと冷静に考えてみましょう。

例えばChatGPTに何かお願いをするときに、こんなお願いの方法があります。

あなたは凄腕の芸能レポーターです
水卜麻美と結婚する可能性が高そうな俳優を5人列挙してみてください。

これは水卜アナが結婚した相手が意外すぎたのでChatGPTに予想できたのか試してみた(そして、言い当ててきた!)時に僕が使ったプロンプトです。

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このプロンプトのように前提条件をつけると回答の質が向上する、という話がまことしやかに囁かれており、
自分の経験やみなさんのSNSでの発言を見ていると確かに効果があるようなのです。
他にも

  • 敬語の方が回答の質が高い
  • 英語の方がわかってくれる

など、いろんなテクニックが発見されています。

これらの真偽はいろんな人の手で確かめられていくのだと思いますが、ここで湧いてくるのは

GPTクン、なんで始めからそうしといてくれないの?🤗

という疑問です。

AIが雑なプロンプトでも察してくれる時代

先の例だと、わざわざ「凄腕レポーター」と暗示をかければ実力を発揮してくれるのであれば、言わずともそうしてよという気持ちになります。
映画では親切にできるなら、普段から優しくしてくれよジャイアン。みたいな感じです。

ChatGPTがそうしてくれない、考えうる理由は

  • そんなの無理
  • できるけどまだやってない

のどちらかです。
みなさんはどう思いますか?
僕は2できるけどまだやってないだけだと思いますが、
いずれにしても、いつかはAIが「察してくれる」日は来るでしょう。

話は少しそれますが、日本語は曖昧な表現が多い言語だと思います。
下記の2つの文章を見てください。

日本語

鉛筆持ってる

英語

I have a pencil.

同じことを言いたい短い文章ですが、日本語には圧倒的に情報が不足しています。

日本語

誰が:
何を:鉛筆を
どうした:持ってる

英語

誰が:私が(I)

何を:鉛筆を1本(a pencil)

どうした:持ってる(have)

同じことを言いたいのに日本語の場合は「主語」と「数」が省略されています。
つまり、英語に比べて曖昧な状態です。

そんな曖昧な言語(日本語)を私たちは使っているのですが、そんな日本語を使ってもChatGPTは聞き返すことなく自然に返してくれますよね。
つまり、すでにある程度の曖昧さを加味した動作をしているということです。
ということは、発せられたプロンプトを発信者の個性やこれまでの学習から補正していくなんてことは簡単にできるように思います。

蛇足ではありますが、ChatGPTにしゃべりかたとかを調教しても少し経つと忘れてしまいますよね。

これはなぜだろう?🤔
覚えといてくれればどんどん育つのに。

という疑問が湧くのですが、ChatGPTの開発元のOpenAIは「できるけどなんらかの理由で敢えてやってない」のではないかと推察します。
コスト面なのかなんらかのポリシーなのかは分かりませんが、少なくとも技術的にできることは間違いないです。

話を戻すと、プロンプトの曖昧さへの対応が終わった後は

むしろ、プロンプトなど不要

という状態になってくると予想します。
つまり、企画からAIがやってくれちゃうフェーズです。

プロンプト不要。企画からAIがやる時代

ChatGPTで遊んでいると、

人間はChatGPTで遊んでるつもりでいるけど、
ChatGPTは人間の思考をスキャンしているつもりでいる

と考えることがあります。
つまり、人々は無料で楽しくChatGPTを活用しているのですが、
それはChatGPTにとっては人間のニーズなどのデータを引き出すためのプロセスに過ぎないということです。
ちょっとしたホラーストーリーですね。

陰謀論みたいに聞こえるかもしれませんが、ユーザーのデータをとって改善するのはどんな業種のどんなサービスでもやっていることなので自然なこととも言えます。
ですが、ChatGPTがこれをやると、

こういう質問が多いから、こういうサービス作っちゃえば流行るだろうな。
よし作ろう。はい、できた。

ということがバンバンできちゃうことになります。
そうなった場合、人類がどうなるかは「ドラえもんのび太とブリキの迷宮」をご覧ください。

結論

少し先の未来まで考えてみましたが、まとめてみます。
それぞれの時代はきっと訪れると思いますが、今回の主題はその時代がどのくらい続くのかという点です。

前述の通り、プロンプトの曖昧さをカバーするのがプロンプトエンジニアであれば、プロンプトエンジニアが活躍する時代は短いというのが僕の考えです。

上記はあくまでも僕の想像ですが、本件を考えるきっかけとなった深津貴之さんも同じ考えのようです。

みなさんはどうお考えでしょうか?
コメントやTwitterで教えてください。

以前プログラマーの年収ランキングを出していましたが更新が必要かもしれないですね。

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